10月31日(日)に、よこすか海洋シンポジウム2021(第23回)を記念艦「三笠」講堂で開催しました。
昨年はコロナ禍のため、やむなくよこすか海洋シンポジウム2020(第23回)の開催を見送りましたが、
同じテーマで今年開催したものです。
テーマは、「横須賀と東京湾の交通安全 浦賀燈明堂から観音埼レーダー施設まで」
参加希望者は150名を超える人気で、当日はあいにくの雨にもかかわらず、約140名の参加者にシンポジウムを楽しんで頂きました。
第1部「浦賀燈明堂から観音埼灯台へ」 横須賀開国史研究会会長 郷土史家 山本詔一さん
浦賀燈明堂は、慶安元年(1648年)に、江戸幕府によりわが国初の灯台として建設されました。浦賀に奉行所が開設される70年以上前のことでした。
従来の篝火(かがりび)でなく堂内で菜種油を燃やして明かりを得ていました。観音埼灯台にその役目を譲るまでの歴史について解説して頂きました。
第2部「起工153周年を迎えた観音埼灯台と日本の灯台」
海上保安庁 第三管区海上保安本部 交通部長 辰巳屋誠さん
観音埼灯台は、明治元年11月1日に起工してから今年で153周年を迎えます。建設に携わった旧横須賀製鉄所のフランス人技術者達や、そこで懸命に生きた灯台守とその家族の支えがあって生きてきた観音埼灯台は、過去2度の震災による建て替えを経て今日を迎えており、その道のりは決して平坦ではありませんでした。
150年経過した今も燈を灯し続け、その崇高な使命を全うしてきた観音埼灯台が歩んできた道のりを、知られざるエピソードや採用された当時の最先端技術を交えながらご紹介頂きました。また、灯台など航路標識のこれからについてもご紹介頂きました。
第3部「東京湾海上交通センターと観音埼レーダー施設」
海上保安庁 第三管区海上保安本部 東京湾海上交通センター 所長 稲田健二さん
大小さまざまな船舶が行き交う東京湾の入口に当たる観音崎に、1977(昭和52)年、東京湾海上交通センターが設置されてから今年で44年。この間、365日24時間体制で、東京湾及びその周辺海域を航行する船舶への情報提供を行うことで、船舶同士の衝突や陸岸や暗礁への乗揚げを回避するなど海上交通の安全を守ってきました。
2018(平成30)年、同センターは横浜に移転するとともに、東京、川崎、横浜及び千葉港の港内交通管制室を統合し、より広範囲かつ詳細に湾内の船舶交通が一体的に把握可能となったことで、大津波警報が発令されるような非常災害発生時の対応も強化されました。今回は、新たに強化された東京湾海上交通センターの役割をご紹介して頂きました。
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